外国人技能実習の監理団体を設立するためには、様々な要件をクリアし、かつ膨大な量の書類を作成して所轄官庁の許可を受ける必要があります。
これは技能実習制度の趣旨を理解し、適切に運用できることを書面で立証するということです。
個々の要件のクリアは自己責任ということになりますが、申請書類の作成は組織運営において生産的な業務とは言えません。必要に応じて専門の行政書士等のサポートを受ける方が費用対効果は高いと考えられます。
【大阪・本町】協同組合と監理団体の設立・運営を全てご支援します
1. 事業協同組合の設立
技能実習生を受け入れのための監理団体を自前で設立する場合、
まず母体となる「非営利団体」を設立する必要があります。
最も一般的なのは「事業協同組合」です。
以前は組合事業の実績が1年以上ないと監理団体の許可申請ができなかったのですが、
現在では組合の設立が認可された時点で監理団体の許可申請ができるようになっています。
1-1. 事業協同組合を設立するためには
事業協同組合の設立には行政庁の認可が必要です。
組合員の所在地が同一の都道府県内の場合は、都道府県が所管(認可)行政庁となります。
例えば大阪府内のみの場合は、大阪府が認可します。
複数の業種にまたがる組合でも、この場合は大阪府が省庁のとりまとめ役を担います。
一方、組合員の所在地が複数の都道府県にまたがる場合は、都道府県の手から離れます。
組合員資格として定款で定められる業種に対応した所管の省庁が対応します。
ただし、省庁によっては組合の認可業務を都道府県に委託する場合もあります。
例えば、組合員の所在地が大阪を中心に複数の都道府県にまたがり、
建設業、製造業、介護事業の事業者を含むという場合には、
①近畿地方整備局(建設業)、
②近畿経済産業局(製造業)、
③大阪府(介護に関して厚労省から委託)
の3つの行政庁へ同時に事前協議した上で、同時に申請を行うことになります。
監理団体として実習生の受け入れ先の業種が増えていく場合は、
認可庁も増えていくことになります。
その際にはその都度定款を変更した上で、関連する全省庁に届け出ることになり、
これだけでも大変な手間がかかります。
加えて、組合の最初の認可申請は次の項目で述べるような複雑な手順を踏みながら、
沢山の書類を担当行政庁と内容調整しながら整えていく必要がありますので、
経験やノウハウがあるアドバイザーが必須と考えた方がよいでしょう。
当事務所は大阪府及び近畿圏の官庁に対する申請実績をもとに、
組合設立に関するすべての手続きを代行することが可能です。
ちなみに当事務所にご依頼いただく場合は、基本的に、
中小企業団体中央会を通して申請する必要はありません。
1-2. 事業協同組合設立までの流れ
大阪府の場合、事業協同組合を設立するためには、以下の11のステップを踏む必要があります。
当事務所ではその全てのステップについて、
実体験をもとに代行またはフォローすることが可能です。
- 発起人(4人以上)による設立趣意、事業内容等の検討、書類作成等
- 大阪府へ設立のための事前相談
- 設立のためのヒアリング
- 創立総会の開催公告
- 創立総会の開催
- 設立認可申請
- 設立認可
- 事務の引渡し
- 出資額の払い込み
- 法務局へ設立の登記
- 税務署への届出
1-3. 事業協同組合設立に必要な書類
書類については各都道府県で様式が異なる場合があります。
また、監理団体の設立を前提とした専用の書類記載例を用意している自治体もありますので、
十分な事前確認が必要です。大阪府の場合は、以下の書類が必要とされています。
- 中小企業等協同組合設立認可申請書
- 設立趣意書
- 定款
- 事業計画書(初年度及び次年度分)
- 資金計画書(初年度及び次年度分)
- 収支予算書(初年度及び次年度分)
- 誓約書
- 設立同意者名簿
- 創立総会議事録
- 理事会議事録
- 役員名簿
- 設立同意書及び出資引受書
- 理事及び監事の就任承諾書
- 委任状(発起人代表を定めた場合)
- 発起人全員の印鑑証明書
ポイントとなるのは、設立趣意書、定款、事業計画書の3つです。
これは内容を十分に練り込んで作成していかないと、
何度も担当行政庁とやりとりを行うことになってしまい、
場合によっては、半年、1年、と時間ばかりが過ぎていくことになります。
当事務所は行政書士ですので、印鑑証明の代理取得なども含め、
十分なヒアリングをもとにすべての書類の調製が可能です。
2. 監理団体の許可申請
監理団体となるための要件
監理団体となるための要件は、以下のとおり規程されています。
①営利を目的としない法人であること
②監理団体の業務の実施の基準に従って事業を適正に行うに足りる能力を有すること
③監理事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること
④個人情報の適正な管理のため必要な措置を講じていること
⑤外部役員又は外部監査の措置を実施していること
⑥基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎに係る契約を締結していること
⑦優良要件への適合<第3号技能実習の実習監理を行う場合>
※1~7のほか、監理事業を適正に遂行する能力を保持していること
まずは、①~⑥を満たすことで「特定監理団体」となることを目指します。
「特定監理団体」は、技能実習第1号(1年目)と第2号(2年目、3年目)の計3年間の受入れの斡旋と監理をすることができます。
そして3年以上の実績を積み、優良と認められると「一般監理団体」となって、第3号(4年目、5年目)の受入が可能となります。
※「特定」と「一般」の言葉の位置づけが、建設業許可等とは逆になっていますので、注意しましょう。建設業許可は「特定」の方が規模の大きな工事を扱うことができます。
監理団体の許可申請
監理団体の許可申請は法務省と厚生労働省に対して行いますが、
窓口は「外国人技能実習機構(OTIT)」が担っています(東京事務所でのみ対応)。
こちらは、更に組合設立とは比較にならないほどの大量の書類を作成する必要があり、
専門家によるサポートが必須です。
(参考)監理団体の許可申請に必要な書類 →(技能実習機構のpdf資料)
※当事務所は最新の申請実績をもとに、許可申請を全て代行することが可能です。
監理団体許可申請のポイント(※2021年10月追記)
監理団体は、令和3年10月22日現在で、特定監理団体:1,676団体、一般監理団体:1,750団体、合計:3,426団体という数に上っています。
また、監理団体は4年前の法改正で許可制になりましたが、技能実習制度の運用上は非常に重要な役割を担うことになりますので、許可の判断基準は年々厳格化する傾向にあります。
申請に当たっては色々とポイントを押さえていく必要がありますが、参考までに比較的手間のかかるところを以下2点あげておきます。
3. 設立後の手続き支援
協同組合と監理団体は、その設立後にも様々な申請や届け出が必要になります。
最も重要で、かつ手間のかかるものは「技能実習計画の認定申請」です。
当事務所では、需要の多い「介護」や、難易度が高い「機械保全」などをはじめ、様々な業種での申請実績があります。機会保全の「設備保全計画書」など、特殊な資料にも対応可能です。
その他、意外と面倒な各種の届出も代行いたします。
・組合の定款変更(組合員の資格の追加、地域の追加)、各種変更届け出など
・監理団体の各種変更届け出(対応業種の追加、送出し機関の追加など)
また、ご要望に応じて様々な機関のご紹介もさせていただきます。
・社外監査人のご紹介
・送り出し機関のご紹介
手数料など一切頂いておりませんので、お気軽にお問い合わせください。
4. 設立後の運営支援
最近では、とりあえず行政書士に依頼して安易に監理団体を設立されるケースが散見されます。
自らの経験上言いますと、実際の運用はかなり大変です。
・送出し機関、実習生、そして受入企業とどのように関わっていくのか。
・内部の管理は、帳簿類の整理や各種手続き書類の作成などをどうしていくか。
・更には、協同組合としての運営事務もあります。
これらをきちんと法律を遵守した対応を行っていくためには、600ページ近くある「技能実習制度 運用要領」を読み込んで、理解しておく必要があります。
そして、不明な点については「ちょっと誰かに聞きたい」というケースが出てくると思います。
当事務所では、設立許可取得をご支援した監理団体様については、電話やメールの1回のやりとりですむような簡単なご質問については、無償でご対応しております。
また、まとまったご相談については、有償にはなりますが、面談によるご相談や顧問契約なども承りますので、ご活用いただければ幸いです。